• Kosuke Tsubota

ゴミが教えてくれること29:スウェーデンのリサイクル革命

その28:スウェーデンのゴミ輸入】の続きです。

スウェーデンの廃棄物発電所(WTE:Waste-To-Energy)に関して良い面だけを前回ブログでは記載しました。物事には表裏があるもので、このシステムに批判的な人々ももちろんのこといらっしゃいます。反対者の人々の主張としては、汚染源や毒性物質を大気中に放出するという理由で、ゴミの焼却は環境に良くないと主張しています。

その主張に対してのスウェーデン国内の回答としては、廃棄物発電所(WTE:Waste-To-Energy)では、有害物質排出量の少ない制御された焼却法が採用されていて、野外での焼却とは根本的に異なっていると学術誌を用いて反論しています。(学術誌「Environmental Science and Technology」の調査では、世界ではゴミの

40%以上が焼却されている中、その大部分は焼却炉を用いずに、野外で燃やされているという結果がでています)。

そして、スウェーデンの環境保護局によると、テクノロジーの進化と排煙浄化装置の導入によって、野外で燃やされているものだけではなく、既存の焼却炉と比べても大気中に放出されるダイオキシンの量は「ごく微量」と発表しています。その「ごく微量」の定義が気になるところですが、定義までは調べきれませんでした。

その25:プラスチックを減らす起業家】で紹介したインドネシアのスタートアップGet Plasticの技術と同様に、ゴミがここまで燃料となるならば、ゴミを減らさなくてもいいのではないか?ゴミが燃料となるので、ゴミを輩出することに加速するのではないか?という疑問が生まれますが、そこには、大きな壁があって、自然と制御されています。それは、新たに焼却炉を建設するのに必要な建設費用が、かなり高価であって、財政の豊かではない地方自治体には手が届かないくらい高額なことです。

特に価格のところで影響してくるのが、環境汚染物質ダイオキシンの灰及び排煙の浄化技術ということで、安く創った場合は環境汚染のリスクが伴うということです。今後、建設が増えることによって、技術の進歩と建設技術の向上によって建設費用が下がる可能性がありますが、それにはかなり時間を要しそうです。Get Plasticでは懸念されていなかった点として、スウェーデン国としては、再利用やリサイクルの促進に関する社会活動や技術革新がおざなりになることを懸念されています。

スウェーデン国として、問題を無視することなく、あげているので、その点に関しては、期待しすぎずに期待していきたいところです。廃棄物発電所(WTE:Waste-To-Energy)が何でも焼却できるような形で紹介してきましたが、利用することが出来ないゴミとしては、タイルや断熱材、アスベスト、その他の建築資材や解体廃材、あるいはそれらを含むゴミは安全に焼却することができないとのことです。

これらのゴミに関してはスウェーデンにおいても、処理場に埋めるしか方法がないとのことです。また、先ほどあげていた懸念点に関して Swedish Waste Managementのコミュニケーション・ディレクターであるアンナ=カーリン・グリプウェル氏 はカナダ版ハフポストに対して、このスウェーデンの廃棄物処理システムは、数十年前から始まっていて、いまや社会にしっかりと根付いていると説明しました。

「スウェーデンは1970年代から、廃棄物の取り扱いについて、かなり厳しい規則を導入してきた。それは一般家庭はもちろん、地方自治体や企業にもより大きな責任を課すものだった」と語られています。

データとしても出ていて、スウェーデンのリサイクル会社、リターパック(Returpack)社の発表によると、スウェーデン人は全体で1年間に15億個のビンや缶を返却しています。再使用またはリサイクルができないものは、通常は廃棄物発電所(WTE:Waste-To-Energy)へ送られます。

しっかりと「ゴミの選別と削減」の後に「再利用」「素材のリサイクル」「エネルギーの再利用」「埋め立て」と環境にとって最もよい優先順序を護っています。

「ゴミの選別」に関してもスウェーデンは、法律をしっかりと定めていて、製品の製造者は、自社製品の回収とリサイクルまたは廃棄に関わる費用をすべて負担する責任を負っています。


たとえば、飲料会社が販売店を通じてビン入りの炭酸飲料を売った場合には、飲料会社は、ビンの回収費用だけでなくて、関連するリサイクルや廃棄のコストも支払わなければならないように資本主義に流されないような仕組みを法律で決めています。そのために、トラックで焼却場へ運ばれる前に、ゴミはまず、それぞれの家庭や事業主によって分別されるようになっています。生ゴミなどの有機廃棄物を分けて、ゴミ箱から紙を拾い出して、回収して再利用できそうなものは、すべて取り除いていくような仕組みが出来上がっています。

ゴミでも、こんなにワクワクするビジネスがあるのですから、やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


関連ブログ

ゴミが教えてくれることシリーズ

その1:ゴミ拾い習慣

その2:ゴミ拾いSNSアプリPIRIKAとゴミが教える消費者行動

その3:ビジネス

その4:新しい視点

その5:ゴミビジネスーUber

その6:最近上場したゴミ回収会社

その7:ゴミ回収グローバル企業

その8:デザイン力が変えるゴミ

その9:メルカリはリサイクル企業

その10:海外展開リサイクルチェーン

その11:使えるものは使う

その12:アンティークになる

その13:リサイクルで難民支援

その14:くるま

その15:地球税

その16:ゴミオークション

その17:リサイクル3手法

その18:ゴミ関連アプリ

その19:プラスチックゴミ

その20:海洋プラスチックゴミ

その21:昆虫食とプラスチック

その22:プラスチックと起業家の戦い

その23:プラスチック代替の戦い国内編

その24:世界へ挑戦プラスチック代替戦

その25:プラスチックを減らす起業家

その26:ゴミから生まれる縁

その27:石灰石ペーパーに関して

その28:スウェーデンのゴミ輸入

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