• Kosuke Tsubota

ヘルスケア起業家必須 法と密な関係#2 看護人材紹介業界


先日記載させて頂いた、ヘルスケア起業家必須 法と密な関係#1 医師人材紹介業界 ですが、もっと深くすると簡単にふれた医局制度の崩壊だけではなく、医師の名義貸し問題、2019年現在で問題になっている無給医問題等ひろがっていくので、そちらで紹介を記載させて頂いた看護師人材紹介業界に関して執筆させて頂きます。看護師不足は、昔から言われているものでしたが、医療機関の収入と直接関与することが少なかったために、看護師の紹介業界どころではなく、市場も成り立たない状況でした。それが、ルールの改定、医療機関の収入構造の変化によって、収益化が可能になって、様々な会社がサービスに導入するようになってきて市場が成り立つようになって業界が出来上がりました。

その後に、別の理由もありましたが、業界団体まで立ち上がっていきました。ただ、ことの発端は、ルールの改定による需要と共有のミスマッチングによるニーズをいち早く発見しサービス提供しはじめた会社は上場し、多様な会社を買収していき、ヘルスケア業界の企業では、大きな会社の一つとなりました。この看護師紹介ビジネスが盛り上がっていった時は、実はルールのミスマッチングが何のために起きているのかが分かっていないが、収益化するからとサービスインしていった会社が多く、上場企業や中小企業から理由の説明会の開催をよく頼まれたもので、事前調査をしていなくても参入してくる資本力の強さを実感させて頂いたり、生き残るために流行しているサービスを導入しはじめるベンチャースピリットに刺激を頂いたりしていました。

看護師ニーズの高まり

看護大学の数が100大学を越えて、大卒看護師が高学歴看護師とあまり言われなくなってきはじめた2006年にその変化がありました。2006年の診療報酬の改定で、今まで病院が必要としている看護師さんの数が増えたのです。「7対1」の看護配置基準という名前の患者さん7人に対して看護師1人を設置してより手厚い看護サービスを患者さんに提供するようにというサービスが増えました。また、こちら看護師さんの名義貸し等が行われないように、表記を実質配置で表さなければならなくなりました。それだけではなく、昼間・夕方・夜間の各時間帯に実際に働いている看護師の数に関する情報を、病棟で掲示することも義務付けられました。実際の人数としては、どれぐらいかというと、「10対1」看護が推奨されている人数とされていたので、患者さん10人に対してから、7人に対してとかなり人数が必要となりました。

また、看護界の人間だとこの人数の細かなことが分かるのですが、実はこの「7対1」「10対1」と呼ばれるのは、1日を通しての看護師さんの数なので、実際の現場は、先ほど表記させて頂きましたように、日中帯・夜間帯・深夜帯の3つの時間帯がありましたので、サービス提供する時間帯だけの人数で計算すると、実際には30人の患者さんに1人いた方がいいと呼ばれていたところから、21人の患者さんに1人いなければならないというようなルールの改定があったのです。


看護師の供給の変化

2009年の7月には、法律の改正まで行われました。名前は「保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律」の改正です。この改正で行われたことの一つが、看護師の国家試験受験資格に大学卒業が明記されました。また、保健師と助産師の教育年限が6カ月以上から1年以上に延長されました。これから分かることは、今まで看護師の育成機関が専門学校や短期大学で3年間だったところが、看護大学に変わったので育成機関が4年間に伸びました。そうなると1年間供給のタイミングがなくなるのです。


需要と供給のミスマッチング

経済学の教科書にのるようなわかりやすい、需要と供給のミスマッチングが2006年から2010年の間に一気に需要側と供給側の体制に変化が起きたので、採用する医療機関としては、急に人数が増える看護師の育成体制を創ることに精一杯な状況でした。そのために、新たな採用方法を創り上げていくことや医療機関ならではの体制で長所でもあり短所でもある総務部や人事部というバックオフィスが業務をするのではなく、看護師資格保持者である看護部が採用等を実施する体制が今回は短所として働いてしまいました。医療機関内、組織内での統制や仕組みづくりには強いですが、医療機関外・組織外での営業活動や採用活動等のビジネス分野(※患者さんのためのボランティア活動等になると強いです。)の活動はそこまで強くないのです。

そのために、代わりに看護師の採用を手配する看護師の人材紹介のニーズが高まったのです。また、看護師も同様に人材派遣業が取り扱うことが出来ない業種でした。(※特殊な状況下のみ、派遣が許されていて、限定的すぎたためにビジネスの市場として形成されていなかったのです。また、同様に人材派遣業と人材紹介業では、収益体制が異なるために、派遣会社はすぐに紹介会社として活動できませんでした。)このような、まるで業界が活性化するために創られたような需要と供給のミスマッチングでしたが、看護師も医師と同様の職業安定法での人材紹介業だったために、ニーズは目の前にあるのに供給体制がうまく機能することが出来なかったために、サービスが活性化していきました。

そのお陰ですが、医療分野に全く詳しくない企業が参入してきたために、医療機関への仕組みや保険収入の変化の説明、看護教育の変化等の多岐にわたる題材で、私は様々な看護師紹介会社の方々のコンサルティングやアドバイザリー契約、相談役や顧問等をさせて頂きました。少し脱線しますが、新人研修的なこともさせて頂きました。その際、いたって真面目な顔で、「看護師はどのように働いたら院長に昇格できるのですか?」や「看護師から医師になるにはどうすればいいのですか?」というような質問を受けました。きっと第一種自動車免許と第二種自動車免許のような関係だと思っていたのだと思いますが、資格と役割が異なるということや、許認可業ということがわかっていない方々が医療業界に多量参入してきていました。

医療マニアとしては、あまりにも想像していなかった質問であったために、ビックリしました。そして、オタクが変な質問に対して怒るように、ちょっと医療業界のことをバカにされた気分にもなりました。そのため、かなり【真剣】に失礼なことが起きないように私は精一杯、仕事をさせて頂きました。脱線しましたが、このようにルールの変化によって、需要と供給のギャップがうまれ、起業や成長のチャンスが訪れることがあります。そのため、起業家はルールの変化に関する情報収集が重要なのです。

チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪

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