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  • Kosuke Tsubota

介護保険と医療保険の二股(訪問看護の婚活5)

訪問看護サービスが出来上がったのは、1970年代後半ですが、訪問看護ステーションが出来

て、訪問看護ステーションに経営という役割が必要になることが決まったのは、平成3年(1991年)12月で、施行は、4か月後の平成4年(1992年)4月です。当時、訪問看護に従事していたのは、病院や診療所などの医療機関から訪問看護に行く看護師で、もう一つは寝たきり老人対策としての市町村の看護職が実施する「訪問指導」という名前の訪問看護です。20年近くの実践があって、事業所として独立することになりましたが、当時から「日本で看護師主体の事業所が本当に出来るのか?」という声があがっていました。しかしながら、その懸念の声をしっかりと理解して対策に動けた看護関係者は少なくて、単純に独立した事業所で訪問看護サービスを提供することに対する不安の方が勝っていてそれに対する対策ばかりされてきました。そして、ナイチンゲールの教えに反して経営に対して骨抜きにされていたことが判明しました。

平成4年(1992年)4月に始まった、医療保険での訪問看護ステーションですが、その際に患者さんから利用者さんもしくはご家族さんから頂くお金は、【250円】。もちろん、医療保険なので、一部負担金で実際の売上は2,500円になりますが、その小学生のお小遣いのような金額【250円】をもらうことにも躊躇していたり、アレルギーを感じていたりするようなことを言っています。逆に「あの時感じた違和感は、大切にしていかなければならない。」というセリフが看護界で言われるほどに、経営に対して無頓着な看護師でした。

もちろん、当時でも青梅慶友病院のように看護師長が病棟の全ての経費も全て実施するような経営能力が求められる医療機関があって、しっかりとしているナイチンゲールのような看護師はおりましたが、それは一部の特殊なケースでした。そして、医療保険のみの運用だったために、今まで医療保険で経営をしていた医療機関の経営者・院長・理事長・事務長などを筆頭とした方々の支援から訪問看護ステーションは経営されていました。

それから約10年して、平成12年(2000年)4月に介護保険制度がスタートしたことから、介護保険も使用できる訪問看護ステーションに進化していきます。医療保険を取り扱うプロである医療法人が経営している訪問看護ステーションが、経営を難しくしているのが、この介護保険も使用できるというところです。


唯一医療保険も介護保険も使える

今では、看護職者の数よりも介護職者の数の方が多い状況ですが、介護保険制度がスタートしたばかりの頃は、介護も看護も分からない混沌の時代でした。

医療保険の経営に関しては、前述したように、1961年から当時40年の歴史から医療機関の経営者の試行錯誤に経験や知識・工夫がありました。また、介護保険に関しては、介護保険の制度設計の関係から利用者の自由度をあげるために、民間業者に門戸を開いたことから、介護保険制度での売上をしっかりと分析して、介護ビジネスとして活性化していく流れがありました。

介護ビジネスで上場した会社があるのがその証拠ですし、また、ベネッセホールディングスなどの他業種からも福祉業界に入ってこられている法人が多いこともその証拠です。それらの会社は介護保険の分析が上手です。そのために大手の法人立の訪問看護ステーションは、収入面での経営の抜け目はないのですが、医療従事者の労働環境づくりが不得手なような状況です。医療保険と介護保険を両方を取り扱うところが訪問看護ステーションしかないために、訪問看護ステーションの経営だけが少しだけ特殊的な状況になってしまっているのが、訪問看護ステーションの経営者が育たない多くの理由の1つです。

というのも、医療保険は3年に1度の改定なので、診療報酬の分析をして、対策をして改善をしていくということが出来ます。また、医療保険に関しては、1961年からの長い歴史があることと、インターネットの普及や物流などが完全に整備されていなかった時代からありますので、情報共有に関する仕組み化と情報を理解してもらうための仕組みが、介護保険よりもしっかりとしています。

特に、医療機関経営者の集まりである日本医師会がその点は責任をもって、動いて下さっています。一方、介護保険に関しては、2年に1度の改定です。情報共有の仕組み化が、お言葉ですがあまり整備がしきれていない状況で、情報改訂の頻度が医療保険よりも多いために、混乱が生じています。3年に1度の改定の医療保険と、2年に1度の改定の介護保険の両方を取り扱う唯一のサービスであるのが訪問看護であるために、ほぼ毎年のように報酬額が変わります。

即ち収入にばらつきがあるのです。しかも、それが予測をたてられるような、天候の影響で農作物の調達が困難になるなどの予測可能な外的因子ではなくて、原価もあまり関係ない状況で決められるものに振り回されるので、少しだけ類似業界の中では経営が大変です。

訪問看護の経営者の皆様

お疲れ様です!

ただ、経営者の責任は大変大きいものです。

ポストが赤いのも社長の責任

経営者の見本としては、一倉定(いちくらさだむ)氏(1918年―1999年)が有名な方です。その方の名言がございます。

『電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である』


この言葉を理不尽だと思われたならば、それは経営者としての自覚不足です。

この言葉の重みを一倉定氏ご本人が解説されています。「社長の責任において決定する」という意味は、「結果に対する責任は社長が負う」という意味で、「社長が知らないうちに起こったこと」でもすべてが、社長の責任であるということです。会社の中では、何がどうなっていようと、結果に対する責任はすべて社長がとらなければならないのだ。

とお話されています。

看護の創始者と言われるナイチンゲールが、有名なクリミア戦争に出かけることが出来たのは、経営者として病院再生をしていた実績があったからです。ナイチンゲールを学んでいる以上、経営者として成長する必要があります。



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