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  • Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その1

最終更新: 2019年8月20日

医師じゃないから書ける「誰も書かなかった医局制度」書きます。

無給医問題が今更というものですが、いろいろと話題にあがっています。ある意味、これがある意味時代の流れとチャンスが到来したものだと思いますので、いつか書きたかったことを書きます。嫁を筆頭に親族や関係者に医療従事者というか、医師が多いため、書くのはかなり先になるかと思っていましたが、書いちゃいます。きっと一回で書ききれないと思うので、ナンバリングしました。

医局とは?

さて、医局とは何でしょうか?狭義の意味、広義の意味いろいろありますが、まとめると下記3つになります。

1)病院・診療所など医療機関で、医師が詰めている部屋。医師の医務作業を実施する部屋。※診察室は、診察のみ、論文執筆や医療事務(医務)等の仕事を実施する裏方の部屋。(作業部屋機能)


2)大学病院の診療専門科、分野別に分けられた所属組織。研究・臨床・教育の機能があって、学位や専門医の資格などを取得できるなどのメリットがあります。(教育・研究機能)

3)診療科毎に、関係を持つ、関連病院と呼ばれる、医局と関係が深い病院などの医療機関と医局員と呼ばれる医局に所属の意思を示した医師との職場マッチング。(人材派遣・マッチング機能)


現在、甲子園をやっているので、乱暴に野球部に例えてみますと、高校生(医師)になりました。


野球部活に入ります。≒医局に入ります。(定義2)

野球部室で事務作業します。≒医局で医務作業します。(定義1)

OBの練習試合に参加しにいきます。≒医局から関連病院にいきます。(定義3)


はっきり言うと、医師に関する人事業務が、単一の医療機関の中で実施出来ないために、大学病院が代理に実施していると考えるとわかりやすいです。一般企業で、人事が実施する研修などが「教育・研修・研究」に該当し、配属や異動などが「関連病院派遣」に該当します。


この人事権を制しているために、医局のことを「白い巨塔」と呼ばれている形となります。最近では、直接医師の採用を実施する病院なども生まれてきているので、昔ほど医局の影響力はありません。

昔は、ほとんどの病院が医局と連携をとって医師の採用を実施していたために、医局に所属していない医師のことを「野良医者」と呼んでいて、野良医者を雇うような病院には、医師を配属しないということを医局が実施していたので、野良になると勤め先がなくなってしまうということが起きていました。実際に平成16年(2004年)に臨床研修制度が変更になり、医師が研修先の病院を自由に選べるようになる前までは、医局に所属した後に研修先の病院を医局が指示をして研修を受けていたので、この人事権に関する権限はかなりありました。この臨床研修制度で、研修先を医師が選べるようになったことと、病院が研修機能を持たなければいけなくなったことから、医局の力は少し弱まりましたが、専門医の資格を取得するためには、論文数や手術数が基準値を超えていないと専門医試験も受けられない状況なので、未だに医局に所属する医師が少なくない状況です。

専門医制度も、2018年より前までは、各学会が個々に試験に関する定義を決めて創っていた資格でした。つまり、はっきり言うとただの民間資格に近い側面がありましたが、各学会の規定ではなくて、専門医という共通基準をつくるために、2014年に一般社団法人専門医機構が創られ、2018年から基本領域18学会の専門医制度が変更になってきています。専門医の仕組みの変化から医局の変化も生まれてくると考えられます。また、従来人事権を握っているので、強かった医局ですが、医局員が教授以外全員辞めるという事態が、まだ数えられる程度ですが起きています。経営者が労働者優位な状況を察知することが出来ず、全員退職されて、何の権限もない状況になるのと同じ状況です。

経営者になったことがないブラック企業で叩き上げになった人が、経営者になったのはいいが、周囲の状況を明確に判断することが出来ず、組織改革が出来なくて採用ができなくて、会社が崩壊していくというような状況です。その状況が、大学医局では起きています。西日本のある教授から「俺の時代は、研修医時代に教授に頭を下げ、医局長時代に医局員と教授両方に頭を下げ、教授になったら医局員に頭を下げる。ずっと頭を下げる不遇の時代なんだ。」と伺いました。はっきり言うと、経営者としては他責すぎます。教授戦というものは、戦えたかもしれないが、教授になった際の役割の変化とマネジメントの知識が乏しいです。

ハーバード大学医学部の教授は、教授就任するとハーバード大学ビジネススクールでMBAを取得するのが当たり前となっている状況と比べると、教授への教育方法が日本では不足している状況です。アカデミックハラスメント・パワーハラスメントが医学界で減らないのは、そのような倫理も含めたマネジメントスキルを学ぶ機会がないのが問題です。人事分野の仕事を医局が担っているのに、一般企業の人事が実施しているはずの労務管理などを実施していないので、問題が生じています。例えば、女性医師の産休育休問題や保育園の問題です。人事異動を頻繁にさせるために、医局には長年所属していても、病院としての勤務期間つまり、雇用保険としての勤務期間が不足していて、出産の際の雇用保険から得られる収入である育児休業給付金が得られなかったり、保育園に入る際の育児休暇復帰点が加算されずに入れなかったりすることがあります。

そして、人事面の責任者がその知識を持っていないために、保育園に入れないという社会状況も全て医局員のせいにして、やる気のない女性医師やイクメン医師扱いするというのは、もはや無知の罪です。父が、慶應義塾大学医学部眼科学教室の教授を担っているので、無知の罪は、肉親の恥なので、そのようなことがないようにと、MBA取得して頂いたり、人事の労務の説明をしたり、厚生労働省のイクボス制度を紹介したりしているのですが、物足りません。一応、父の顔をたてると、男性医師の育児休暇を准教授が取得していたり、子育て女性医師がカンファレンスに参加できるようにと実施時間を変更したり、一応努力はしているようです。

まとめ

話がぶれましたが、医局というのは、医師の世界でまかり通っている文化・風習であるが、法律的な側面が不足していて、雇用保険を筆頭とした問題が存在している、ということでした。

以前、医師の人材紹介サービスに関することをブログ(ヘルスケア起業家必須 法と密な関係#1 医師人材紹介業界)でも記載しましたが、2004年に臨床研修制度が変更になった際に、メディカルプリンシプル社が「民間医局」というサービスを開始し、医局という言葉に医師がひきつけられました。そのような形で、今後はもしかすると、白い巨塔へのマネジメント教育や、運営代行するようなサービスが求められる時代になってくるかもしれません。


やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


関連ブログ

医師じゃないから書ける医局制度その1:医局とは

医師じゃないから書ける医局制度その2:人事業務での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その4:医局の所属

医師じゃないから書ける医局制度その5:医局の構成

医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して

医師じゃないから書ける医局制度その7:医局に医師が集まる理由

医師じゃないから書ける医局制度その8:医局のメリット


一般社団法人日本専門医機構: https://www.japan-senmon-i.jp/

株式会社メディカルプリンシプル社: https://www.medical-principle.co.jp/