• Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その13

最終更新: 2019年8月26日

医局がどのようにして選ばれるのかを書いているテーマその3です。

さて、簡単にこのテーマを振り返ります。

医局が選ばれる理由としては、大まかにまとめると下記7つにまとめられます。

1)地元(実家との距離や関係性など)

→「医師じゃないから書ける医局制度その11:医局の選ばれる理由:地元

」にて解説

2)母校(先輩や恩師・教員や同期など)

→「医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校」にて解説

3)キャリア形成(留学先や研究費・症例数や関連病院など)

4)興味関心(診療科の中でも特に専門分野・研究など)

5)福利厚生(研究の自由度・教育体制の整備や医師の数など)

6)人間関係(他大学から入局した際の差別、體育會的雰囲気など)

7)上司(教授や構成医局員など)


医師の就職活動に該当する医局選びですが、大学生が卒業時期に実施する就職活動と異なり、就職活動のための書籍がなかったり、就職先の情報が公開されていなかったり、そのために情報収集が困難で分析することが出来ないという情報の非対称性の中にいます。そのために、10代から多感な時期を過ごす6年間の母校に就職するというバイアスが大変かかりやすくなっています。母校にいるだけで、母校の先輩が就職先の先輩となって、自分が医師になった時の姿がイメージしやすいことなども影響にあります。

また、ベッドサイドラーニングや実習中など病院内で授業が行われる時や図書館などの共有公共機関を活用している時に先輩と顔をあわせて、先輩からお誘いがあることが、大きな影響力であるようです。特に部活の合宿や東日本医学生大会もしくは西日本医学生大会という、医学部ならではのインカレ大会で応援にきている先輩たちとの交流の影響力が高いようです。大学によっては、〇〇部出身だと、〇〇診療科の医師になりやすいというようなバイアスがかかっていることもあるので、無視できない関係性です。部活による就職先の影響力ですが、文系大学で広告研究会に所属すると、博報堂や電通に就職する人が増えているようなものとは異なっています。

どちらかというと、ひと昔前の體育會運動部に所属していると部活によっては部活のOBが人事部の責任者になっていたり、会社の重役になっていたりするために就職しやすいというレベルでのものです。現在、多くの大学では體育會運動部の学生が減ってきていて、インカレもいろいろと困難がありますが、医学部の世界は未だに體育會の世界が生き残っており、国内の體育會のイベントでの集客は、1位が「国体」と呼ばれる国民体育大会でその年の開催県がかなり力を入れて実施していますが、2位が何と「東日本医学生大会」となります。こちらは完全に東日本医学生大会実行委員会を実施している医学生が自主的に開催しているものであるので、医学生の體育會の強さを実感できます。

参加者の分母を考えるともっと體育會に関する帰属意識の高さを考えることができると思うのでお伝えしますと、日本全国での医学部の数は81大学しかありません。それなのに、東日本・西日本と別れて、国内の體育會イベントの第2位というのは、すごいことです。尚、3位は「西日本医学生大会」になるので、医学生の體育會イベントへの所属率の高さは計り知れないです。いつものように私事に話を脱線いたしますが、私は、2005年に学生起業として「医学生チャンネル」というフリーペーパーの起業・刊行のお手伝いをさせた頂きました。その経験から医学生向けのメディアを創る際やコンテンツ作成のお手伝いを今まで紙面媒体で合計3誌、ウェブ媒体で合計4サイト関係させて頂いたことがありますが、東日本医学生大会と西日本医学生大会の結果等は鉄板のコンテンツでした。

医療小説の大家となられた海棠尊先生の作品でも、主人公たちの医学生時代の物語として部活動を中心とした作品「ひかりの剣」も執筆されていますし、登場する医学生の部活をしっかりと記載するところなどからも部活がどれぐらい大切にされているか分かります。それぐらい、東日本医学生大会と西日本医学生大会は、参加者・OB及び関係者の興味関心が高いものです。そこで結ばれる熱い絆と先輩後輩互いの影響力は、他の大学の部活動での影響力とは比較できないものです。また、大学医学部の部活の顧問は、医学部の教授がなっています。顧問教授と学生の強い絆もこの部活動で紡がれていき、部活の恩師のもとに就職していくということがうまれます。

学生時代に大切にする「3S」と呼ばれる「Study」「Sports」そして「Sex(恋愛)」があります。中学・高校時代から部活内での恋愛が発展しやすいことは周囲の事実で、医学部の體育會も同様となります。部活内の恋愛によって、所属医局を考えることは、人生キャリアを考えるとそこまで大きなことではありませんが、学生結婚も少なくない医学生にとっては、無視できないバイアスとなります。


この部活動に関する医師の帰属意識は、製薬企業MRさんの担当者が喉から手が出るほど欲しがっている情報だったり、人材紹介企業が活用したい情報だったりしています。

東日本医学生大会・西日本医学生大会の情報をうまく伝達する仕組みと共に、これらの企業のスポンサーシップや医局及び病院の医師の採用のサポートをするサービスを構築することによって新しいビジネスが出来上がるかもしれないものです。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


関連ブログ

医師じゃないから書ける医局制度その1:医局とは

医師じゃないから書ける医局制度その2:人事業務での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その4:医局の所属

医師じゃないから書ける医局制度その5:医局の構成

医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して

医師じゃないから書ける医局制度その7:医局に医師が集まる理由

医師じゃないから書ける医局制度その8:医局のメリット

医師じゃないから書ける医局制度その9:医局のデメリット

医師じゃないから書ける医局制度その10:専門医取得したいの?

医師じゃないから書ける医局制度その11:医局の選ばれる理由:地元

医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校

参照

東日本医学生大会: http://www.touitai.jp/

西日本医学生大会: http://plaza.umin.ac.jp/~nisiitai/


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