- Kosuke Tsubota
医師じゃないから書ける医局制度その14
医局がどのようにして選ばれるのかを、どこにも配慮せずに記載しています。

執筆依頼ないというのが、こんなにも自由に記載することが出来るとは思っていませんでした。その分、ゴーストライターをしていた時のような、起承転結やストーリー構築をしていないですが、ブログは考えずにまずは、6か月書き続けることが重要らしいので、自由に記載していきます。
さて、簡単にこのテーマを振り返ります。
医局が選ばれる理由としては、大まかにまとめると下記7つにまとめられます。
1)地元(実家との距離や関係性など)
→「医師じゃないから書ける医局制度その11:医局の選ばれる理由:地元」にて解説
2)母校(先輩や恩師・教員や同期など)
→「医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校」
「医師じゃないから書ける医局制度その13:医局の選ばれる理由:母校と部活」にて解説
3)キャリア形成(留学先や研究費・症例数や関連病院など)
4)興味関心(診療科の中でも特に専門分野・研究など)
5)福利厚生(研究の自由度・教育体制の整備や医師の数など)
6)人間関係(他大学から入局した際の差別、體育會的雰囲気など)
7)上司(教授や構成医局員など)
今まで母校の医局に入局するバイアスが多いということを記載しました。しかしながら、地方国立大学などでは、一時期の甲子園PL学園と称されていたように、医師免許を取得するためだけに、医学部進学している人が多いということで、卒業すると地元に帰ることが多いです。
そのために、国立大学法人香川大学など、国立大学の中で比較的偏差値や倍率が手ごろな大学では、卒業年度によっては全員が母校以外の医局に入局していることがあったり、数名だけ残して全員が母校以外の医局に入局していってしまうことがあったりしています。そのため、医局を選ばれている理由としての優先順位を1番地元、2番母校とさせて頂いています。実際に地方大学では、首都圏の学生が医学部のためだけに留学に来るような形になってしまい、都道府県内に医師が育たないということを課題にしていて、地元枠という形で進学枠を創設してきています。しかしながら、医局員が潤沢ではない大学では、すでに医局員の人員というレベルで大差が出来てしまい、医師としての研鑽が出来ないということで医局員確保が出来ていないことが多いようです。
高知県などは、医師の人材確保の手段として一般社団法人高知医療再生機構を立ち上げ、医師としての研鑽を各病院単位で実施するのではなく、高知県全体として実施することが出来るようにして、初期研修医を集め国立大学法人高知大学の医局入局に繋がるように実施していることがあります。これは、医局が選ばれる理由として、3番キャリア形成(留学先や研究費・症例数や関連病院など)を意識して実施しています。高知県の取組みの成功から、四国では先ほど名前を上げさせて頂いた香川大学を中心に香川県でも似たような取り組みを実施してきています。しかしながら、医師が一人前になるまでは時間がかかるので、各取り組みの結果を判断するには未だに時間がかかりそうです。
キャリア形成でピーアールして、医師を集めようとしているために、47都道府県の中で唯一高知県では、他大学の医学生が高知県の病院研修する際の旅費交通費を負担していたり、医学生を集めるためのイベント等の費用を創ったりしてワクワクする活動を実施しております。3番のキャリア形成が、本来ならば医師という職業というか生業を選択した人には最も重要なものになるものですが、こちらに関しては、正直なところリクナビやマイナビのような、各就職先である各医局を比較できるような情報がまとめられていることがないために、重要性が高いのに情報収集が難しく活用出来ていないという状況です。
実際に、リクナビやマイナビが出来る前は、大学の就職課が、各企業からの求人情報をまとめてみられるようにしておりましたが、そのようなものも医学部には正直ありませんし、あったとしても形骸化しています。最近では、医局がリクナビやマイナビを使用することもありますが、全医局が使用しているわけではないので、比較することが出来ない状況になっています。医療マニアである私は、進路相談を受けた場合、どこの情報を活用すればいいのか?というものから相談することが出来るのですが、医局のことを把握しているキャリアアドバイザーみたいなものも日本国内に存在しないのも事実です。そのために、大学内で必ずいる優秀で有名な先輩に相談することで、キャリア形成での医局選びをしていて、完全に時代錯誤の就職活動です。
その反面、産婦人科医の成り手が少ないことを課題としている公益社団法人日本産科婦人科学会では、医学生を対象とした産婦人科サマースクール等を実施しています。今では、各学会が真似をして医学生の夏休みの時間の奪い合いという、さも海外有名ビジネススクールで各企業が夏休みのサマーインターンシップの奪い合いという状況になっています。
情報の非対称性は、情報の価値が高いあらわれとなっています。これは、オンラインによってコンテンツサービスに関する投資コストがさがっているので、チャレンジしやすい状況です。
やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪
関連ブログ
医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して
医師じゃないから書ける医局制度その7:医局に医師が集まる理由
医師じゃないから書ける医局制度その10:専門医取得したいの?
医師じゃないから書ける医局制度その11:医局の選ばれる理由:地元
医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校
医師じゃないから書ける医局制度その13:医局の選ばれる理由:母校と部活
参照
国立大学法人香川大学: https://www.med.kagawa-u.ac.jp/
一般社団法人高知医療再生機構: http://www.kochi-mrr.or.jp/learning/student/observation.html
国立大学法人高知大学: http://www.kochi-ms.ac.jp/
公益社団法人日本産科婦人科学会: http://www.jsog.or.jp/