- Kosuke Tsubota
医師じゃないから書ける医局制度その15
医局のことを書き始めて二週間以上経過しました(笑)

以外にも、ネタが尽きないことにびっくりしています。とりあえず、頭の中にあるネタを全てブログにします。後、どれぐらい頭の中にストックがあるのだろう?書いて欲しい関係ネタがある場合はご連絡下さい。さりげなく書いていきます。さて、改めて医局制度に関してのことで、医局が選ばれる理由というテーマを簡単に振り返ります。
医局が選ばれる理由としては、大まかにまとめると下記7つにまとめられます。
1)地元(実家との距離や関係性など)
→「医師じゃないから書ける医局制度その11:医局の選ばれる理由:地元」にて解説
2)母校(先輩や恩師・教員や同期など)
→「医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校」
「医師じゃないから書ける医局制度その13:医局の選ばれる理由:母校と部活」にて解説
3)キャリア形成(留学先や研究費・症例数や関連病院など)
「医師じゃないから書ける医局制度その14:医局の選ばれる理由:キャリア形成」にて解説
4)興味関心(診療科の中でも特に専門分野・研究など)
5)福利厚生(研究の自由度・教育体制の整備や医師の数など)
6)人間関係(他大学から入局した際の差別、體育會的雰囲気など)
7)上司(教授や構成医局員など)
医局を選ぶのにあたって検討されるキャリア形成の部分ですが、まずは、将来的に独立開業する予定なのか?
それとも勤務医のままでいる予定なのか?の考えによってかなり変わるところがあります。また、これは基本的なところですが、どのような技術に興味関心をもっているかによります。まずは手術などの外科系に興味関心があるのか?内科か?精神科か?はたまた総合診療科や在宅診療に関心があるのか?もしくは、小児科や産科婦人科、老年期などの対象に興味関心があるのか?医学部に進学したきっかけによっても異なってきます。そういう意味では、一番自身の人生を考えて選ぶところがあります。「医師じゃないから書ける医局制度その13:医局の選ばれる理由:母校と部活」では、體育會運動部の話をさせて頂きましたが、ほとんどの医学部では、地域医療に関するサークルがあったり、海外医療に関するサークルがあったりします。
最近では、ヘルスケア起業に関するサークルや新しい医療ICTやIoMT機器に関するサークルが生まれてきています。そこでの文化的というか医療的サークル活動やベッドサイドラーニングと呼ばれる病院実習での経験によって診療科を仮決定していきます。その後の初期研修医時代のローテーションによってかなり覆されることが多いので、仮決定です。実際に初期研修医時代のローテーションに組み込まれた診療科と選択になった診療科では、医局員の採用に大きな差がうまれているので、初期研修医時代での経験値及び刺激、人間関係などは、医局を決めるのにかなりの影響力があります。そしてここで情報収集をした医局が持つ関連病院の情報や医局が持つ連携留学先の情報、先端医療即ち最新医療研究に関すること等の情報が手に入っていき、意思決定に影響していきます。
実際には、キャリア形成に関しては、将来開業する意思があるのか?やJICAや国境なき医師団等で海外医療支援活動をしたいのか?臨床と研究を実施していきたいのか?また、大学発ベンチャーの活性化を大学が求められるようになったことから、起業することが出来るのか?等の本人の希望をどれぐらい医局が受け入れてあげられる度量があるのか?に関与してきています。キャリア形成のきっかけは、興味関心分野にありますが、興味関心だけだと生きていけないと考える医師がキャリア形成の重要度があがっています。実際に、現在教授を勤めている医師の中で、一つ目や五体不満足等の先天的身体障害に関する研究をしたいと考えていたが、それでは食べていけないことから医局は別に選んだという話や、昆虫に興味関心があったが、昆虫学者では食べていけないことから医局としては、臨床医局を選択したという話など耳にします。
興味関心とキャリア形成似て非なる関心毎ですが、しっかりと違うものとして考えて医局を選択している話が伺えます。一方で、最近では、興味関心だけで食べていける世の中が出来上がってきています。実際に、ひと昔前だとゲームは趣味でしかなかったものが、eスポーツアスリート・プロゲーマーとして他のどのスポーツよりも賞金が高い世界が生まれてきています。ちなみに、医学の世界でもゲーマーの需要?は高まっていて、ゲーマーは腹腔鏡手術などの画面と術野が異なる手術が得意であるという研究結果が出ています。手元の操作と、画面での動きという異なる世界と一体化することが出来るのは、ゲーマーならではの能力ということです。
話を元に戻しますと、世の中が興味関心での強みを生かす世の中に変化してきているので、医局選びも保守的なキャリア形成分野から興味関心分野に移行する時代が差し迫ってきています。実際に、35歳という若さで東京大学医学部教授及び慶應義塾大学医学部教授になった宮田裕章教授は、最先端の医療ビックデータ及びAI、医療費や働き方改革の研究者として有名ですが、その分野を選択した際には後ろ指をさされていたと言われていますので、興味関心を中心に専門分野を構築していくことの重要性は、医学界にも訪れています。
やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪
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医師じゃないから書ける医局制度その12:医局の選ばれる理由:母校