• Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その2

最終更新: 2019年8月20日

先日、「医師じゃないから書ける医局制度その1」とブログ記載させて頂きました。

今回は、その第二弾となります。前回の簡単なまとめとしては、「医局というのは、大学の診療科別の組織もしくは集団。その集団に所属する医師の教育や人材派遣機能などの人事権を持つが、雇用関係などは存在しない。そのために、産休育休制度が活用出来ない、保育園に入りにくく職場復帰しにくいなどの問題が生まれる」です。

この雇用関係は実施されていないのに、人事権を持つというものが、誤解を恐れずにいうと責任を持たずに、権利だけを持っている状況というものが生まれています。人事権の責任と権利というものは、雇用主が法定三帳簿と呼ばれる「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」がしっかりと整備されていることが前提とされています。実際には、病院は24時間医師や看護師が常駐している状況をつくっておかないといけないために、賃金三帳の「労働者名簿」「出勤簿」以上に「シフト表」や「オンコール表(緊急時にコメディカルから連絡がつく医師の当番表)」「当直当番表」など運営面、保険請求面で重要なものがあります。

そして、医師を雇用する際には、ニセ医師対策のために、国家資格の医師免許や保険医の資格の確認及び届出が必要となります。 医師免許のコピーは、診療所開設届出事項変更届と一緒に保健所に提出します。また、 保険診療ができるように、保険医登録票を厚生労働省の各厚生局に保険医療機関届出事項変更(異動)届 をします。ただ、この業務は病院の事務が実施することで、医局が実施することではないので、人事権を握っていながら肝の部分は、雇用契約と同様実施しないので、実態を医局が把握できていないのが現状です。医局が実態の把握が出来ていないものとして、給料の面もあります。医師の配属、異動をする際に、思案するポイントを減らすためにわざと情報をシャットアウトしているのではないかと思うぐらい把握していない現状です。

医師の給料は、分かりやすく地方の方が給料が高く、都会になればなるほど給料が低くなるのが普通です。シンプルに考えればわかりやすいのですが、病院の収入は首都圏でも地方でも保険診療のために同じ仕組みになっています。地方の方が医師の採用に苦労しているために、給料を筆頭とした福利厚生をつくりあげて医師を集めている状況です。コスト部分の比較をすると一番わかりやすいのですが、首都圏では土地にお金が使われていて、地方では医師や医療従事者の人件費にお金が使われている状況です。この基本は、医師は誰もが知っていることですが、医局は配慮していないようです。そのため、ひどい時には給料が半分になったり、逆に地方に行って倍になったりすることがあります。

医局内の人事及び関連病院の給料は、公にされていないので、首都圏の病院に勤めて続けていることで、同期や先輩後輩同僚からちょっとした嫉妬や教授や医局長の贔屓といわれていた人が、給料を話す機会があって話した途端に、貧乏人扱いされて憐れまれること事態などが至るところで定期的に起きています。女性の医師資格保持者が医師全体の約20%になり、医学生の約30%以上が女性になってきていて、働き方改革と一緒に話題に上がってきているのが、保育園問題です。病院が保育園を持っている場合と持っていない場合で、配属されても働き方というか能力の発揮具合に大きな差が環境要因として生まれるのですが、こちらに関しても配慮している医局があるとは聞いたことがありません。

医局人事異動のために、逆に保育園活動を最初からやり直しになったり、異動になるので育児休暇復帰点が使えないために保育園に落ちたりというような情報はよく耳にします。職業として重要とされる三点「1業務内容」「2給料」「3職場環境」の中、医局は「1業務内容」しか把握しておらず、そのために不必要な苦労をしている医師がいるのが現在の状況です。ひどい時には「1業務内容」も把握していなく、どのような患者さんが多い病院なのか、どのような手術が可能な病院であるのかの把握もしていなく、診療科の中でも医師本人の実施したい専門的な治療をすることが出来なかったり、能力的に医療リソースをムダにしていたりしている状況もあります。

「1業務内容」に関しては、医師のキャリアとして重要とされるものなので、そのような状況があると話題にされることは、一応出来上がりつつあるのが昨今の状況です。他の「2給料」「3職場環境」ですが、今までは病院からの給料が少ない場合は、日曜日など休日や夜間に医師はバイトに出かけて少ない給料を補填するということが容易にできるために、問題になっていませんでした。環境要因に関しても同様に、資本主義国家ですから、お金を使うことで、保育園に入ることができなくても、ベビーシッターなどの高額サービスを代用することで問題解決をしていました。その状況を可能にしていたのが、日本の歪な医師の給与体系から生まれてきています。

健康保険証、雇用保険など社会保険を支払ってもらっているメインの所属先からの給料の半分すくなくとも20%ぐらいを一日バイトすれば稼げるのです。無給医問題が取り上げられていますが、大学病院だと医師の時給は、看護師よりも低いことがありますが、民間病院に出た瞬間に時給インフレが起きます。この歪な状況で、つまり医師は働き続けるということで、給与を維持していました。誤解を恐れずに言うと、バイトで生計たてている人たちのことを、フリーターと一般的には言われています。医師の多くがフリーターだったと言っても過言ではないと私は断言します。復職を許諾していたというと最先端な形ですが、復職しないと生活できないような状況で、はっきりいうと労働法というものを全く無視された、医師を人間としてみなしていないような働き方がまかり通っていたのが医師の世界です。

バイト時間を計算しない状況で、現在医師の残業時間の上限は1960時間です。これは厚生労働省の過労死ラインの2倍を超えます。医局がこのまま人事権を元に活動していくならば、このような給料や福利厚生などの把握なども重要な業務になってきます。医局がやるという形で実態は、外注にしていくこと等もいろいろできます。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪

関連ブログ

医師じゃないから書ける医局制度その1:医局とは

医師じゃないから書ける医局制度その2:人事業務での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その4:医局の所属

医師じゃないから書ける医局制度その5:医局の構成

医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して

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