• Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その4

最終更新: 2019年8月20日

私は決して医局制度を否定している訳ではありません。

逆に、私は医局が、重要な役割を担っていて、今後の可能性を秘めているものだと信じています。ただ、感情じゃなくファクトベースで、一部の医局では、生き残ること事態が出来なかったり、生き残る価値がなかったりすることも事実です。今まで、医師じゃないから書ける医局制度はその1からその3まで記載してきました。簡単に下記にまとめます。

医師じゃないから書ける医局制度その1」 では

医局というのは、大学の診療科別の組織もしくは集団。その集団に所属する医師の教育や人材派遣機能などの人事権を持つが、雇用関係などは存在しない。そのために、産休育休制度が活用出来ない、保育園に入りにくく職場復帰しにくいなどの問題が生まれる」ことを書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その2」では

「医局が人事業務を担っているのに重要な3点、業務内容・給料・職場環境を把握していない」ことを書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その3」では

「人事を担う医局が、人事業務の基礎、賃金三帳簿の一つ出勤簿を把握していない。医師の出退勤状況を把握していない。そしてその必要性に関して」を書きました。

その4では、医局がどのようなところにあるのかを記載致します。大学単位で専門診療科別の組織、集団が医局であると説明させて頂きましたが、実は国立大学法人筑波大学附属病院や国立大学法人弘前大学附属病院のように医局は存在しないと公言している病院もあります。国立大学法人筑波大学は、医学部ではなく、医学群であるために学生が所属する学群と、教員が所属する学系で分離されているために伝統的に医局は存在しないとしていましたが、形が異なるだけで実際には、国立大学法人筑波大学にも医局は存在しております。

例えば国立大学法人筑波大学附属病院眼科学教室ですが、大鹿哲郎眼科学教室教授は、公益財団法人日本眼科学会の理事長も務められていて、公益財団法人日本眼科学会の中に、大鹿哲郎教授が取得したAMED研究費を中心として、医療AI時代に向けて各大学を巻き込んでビックデータを集めることを実施している日本を牽引する研究者及び医局となっています。また、そもそも独立してドメインを取得してホームページを作成しているのが、ある意味医局が存在している証明でもあります。一方、国立大学法人弘前大学附属病院は医局がアカデミックハラスメントや既得権益の問題があるとして国立大学法人弘前大学として医局不設置と宣言致しましたが、実際には医局がないことによる問題が大きくなってきたために、医局を復活させてきています。

さて、その医局ですが、各大学別にあるかというと大学そのものが、関連病院という位置づけになっていることもありますし、同じ大学で複数大学附属病院がある場合、大学附属病院ごとに医局が存在する場合もあります。大学附属病院ごとに医局が存在する際には、教授が退任される際にM&A、合併されることもあります。M&Aという表現を用いましたが、人事権を中心とした組織になるので、政党が独立したり、合併したりする方がイメージとして分かりやすいかもしれません。さて、その医局の存在として、わかりやすい事例が、学校法人自治医科大学です。学校法人自治医科大学は、医師以外の方には、私立大学だと思われていることが多いですが、防衛医科大学校学校法人産業医科大学と類似する大学で、へき地に医療を提供することを目的に、総務省(当時の自治省)が設立した、公設民営大学です。

そのため、上記にあげた三つの医学校と同様に、学費がかからない代わりに、大学卒業した後に、滅私奉公と通称言われている9年間の勤務先が限定される状況にあります。学校法人自治医科大学は、各都道府県のへき地医療を解消するために設立された大学なので、各都道府県から約2名ずつの定員が栃木県の自治医科大学に集まる形になっております。そして、卒業した後は、9年間を各都道府県のへき地医療の解消のために、各都道府県に散らばります。離島や山間部などのへき地で医療を実施する場合は、卒業して間もないのに、一診療所の院長になることが多いです。そのため、専門診療科という区切りを話していられる環境でもなく、ジェネラリストとして総合診療医としての能力を求められます。

学校法人自治医科大学は、そのような状況のため、他の大学の医局と異なり、母校の学生をそのまま医局に入局させることが困難な状況にあります。また、9年経った後も、各都道府県から代表として学校法人自治医科大学に進学しているので、栃木県にある自治医科大学に戻ってくることは少ないです。そのため、自治医科大学に存在する医局には、他の大学と異なって母校の生徒が医局員になることが少なく、そもそも自治医科大学出身者の医局員が少ないために、母校で教授になるケースがあまりありません。先ほど、眼科学教室を例にしたので、ここでも眼科学教室を例にすると、自治医科大学眼科学教室は、東京大学医学部眼科学教室の関連病院という位置づけになっています。

大学病院が全て他の大学の関連病院になっていることはありませんので、各診療科別で異なっているのが現状です。そのために、医師でもその専門分野別でしか分かっていないか、知らないことの方が多い世界です。正直なところ、私みたいなマニアや、製薬企業さんのMRさんの方が医局に関しては詳しいです。また、現状ではそのような関連病院のような扱いになっていますが、白い巨塔のような教授戦によって、関連医局になる状況が刻々と変わっているものです。医学の外の世界からみた医局の不思議の一つでした。


やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪

関連ブログ

医師じゃないから書ける医局制度その1:医局とは

医師じゃないから書ける医局制度その2:人事業務での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その4:医局の所属

医師じゃないから書ける医局制度その5:医局の構成

医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して

医師じゃないから書ける医局制度その7:医局に医師が集まる理由

医師じゃないから書ける医局制度その8:医局のメリット


参照サイト

公益財団法人日本眼科学会: http://www.nichigan.or.jp/index.jsp

筑波大学眼科学教室: https://tsukuba-eye.jp/

国立大学法人筑波大学附属病院: http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/

国立大学法人筑波大学医学群: http://www.md.tsukuba.ac.jp/igakugun/

国立大学法人弘前大学附属病院: http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/hospital/

国立大学法人弘前大学医学部:http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/

学校法人自治医科大学: https://www.jichi.ac.jp/

学校法人産業医科大学: https://www.uoeh-u.ac.jp/

防衛医科大学校: http://www.ndmc.ac.jp/

国立大学法人東京大学附属病院: https://www.h.u-tokyo.ac.jp/

国立大学法人東京大学医学部眼科学教室: https://www.todaiganka.jp/

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