​執筆履歴

My OFFICE​

東京都墨田区両国4-15-6

  • Grey Facebook Icon
  • Grey Twitter Icon
  • Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その8

ここまで約2万文字記載させて頂きました医師じゃないから書ける医局制度、続けます。

新書が約12万文字のものになるので、新書の一章分ぐらい記載したようです。医局に所属している医師と医局に所属しなかった医師、そして脱局した医師の方々各々の方々とお話する機会がありますが、かなりご自身が選択したキャリア形成によって、医局に対しての考え方に違いがあるようです。先日、現在の医師は医局に所属しなくていいが7割を超えるというように紹介させて頂きましたが、医局というものを意識しない医師は少ないようです。

さて、過去の文章の振返りです。

医師じゃないから書ける医局制度その1」 では、 医局は、大学の診療科別集団。その集団に所属する医師の教育や人材異動機能などの人事権を持つが、雇用関係などは存在しない。そのために、産休育休制度が活用出来ない、保育園に入りにくく職場復帰しにくいなどの問題が生まれる」ことを書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その2」では、「医局が人事業務を担っているのに重要な3点、業務内容・給料・職場環境を把握していない」ことを書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その3」では、「人事を担う医局が、人事業務の基礎、賃金三帳簿の一つ出勤簿を把握していない。医師の出退勤状況を把握していない。そしてその必要性に関して」を書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その4」では、「医局は、どこにあるのか、病院毎なのか大学毎なのか等」を書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その5」では、「医局の構成に関して、大学病院内の役職に関して」を書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その6」では、「医局の構成、関連病に関して」を書きました。

医師じゃないから書ける医局制度その7」では、「何で医局に医師は集まるの?」を書きました。

今回の「医師じゃないから書ける医局制度その8」では、「本当のメリット」をテーマに記載していきます。

前回も紹介しましたが、 2019年3月26日の日経メディカルによるレポート、シリーズ◎何でもPros Cons【医局に所属すべき?】 「医局に所属しなくてもいい」が7割超 での回答をみると、医師の世界では、他の世界で見える本当のメリットがみえていないように感じられます。そのために、本当のメリットに関してを紹介させて頂きます。

ちなみに本質的なメリットが不足していると私が感じている医師が感じている医局所属のメリットですが、ご紹介させて頂いたページからの抜粋ですが、下記となっています。

” いろいろな病院を経験でき、自分の居場所がある。(50代病院勤務医、一般外科) 医者としての行儀作法を教えてもらえる。(60代診療所勤務医、一般内科) 実は現在の日本の医療システムには合っているように感じる。(50代病院勤務医、小児科)

医学を含む様々な勉強のためには、しっかりした組織に入ることが大事。(60代病院勤務医、一般外科) 関連病院との連絡がスムーズになる。(50代開業医、呼吸器内科) 学位取得はしんどかったが、勉強になった。(50代診療所勤務医、一般内科) 確実なキャリア形成ができる。(30代病院勤務医、総合診療科) 所属すると義務は増えるが、可能性も増える。(40代病院勤務医、泌尿器科) 労働組合と考えている。(50代病院勤務医、皮膚科) 仲間ができる。(60代病院勤務医、消化器内科)

理不尽なことも多いが、やはり守られている感が強い。(50代診療所勤務医、泌尿器科) 専門分野を極めるのに必要な貴重な症例を学ぶ機会があるから。(50代開業医、皮膚科) 誰も行きたがらない僻地が存在する以上、強権的にその地域に行くように命令する組織が必要。(30代病院勤務医、精神科) 100%臨床より、少しは研究もするべき。(50代開業医、循環器内科) 自分より優秀な人と接することのできる確率が上がる。(40代病院勤務医、循環器内科)

チーム医療を行う際に同じ医局の後輩や先輩の方がうまくいく。(60代病院勤務医、脳神経内科) 医局での交わりは日常に色どりを添えてくれる。(50代病院勤務医、一般外科) 友を維持できる。(40代診療所勤務医、一般内科) 理不尽に対する耐性が培われる。(50代病院勤務医、一般内科) 医局内で切磋琢磨すれば、独善に陥らず公平な目が養われる。(60代病院勤務医、消化器外科) 大樹に寄らないと見えないものもある。大樹の陰で見えなくなるものもあるが。(50代開業医、一般内科)

医局に属さない医師の中には「属さない」ではなく「属せない」医師が多い。協調性がなかったり何か問題があって、雇用する際に躊躇してしまう。(50代病院勤務医、呼吸器外科) もめごとや不慮の病気への代診など、開業してからも世話になることがある。(50代開業医、眼科) 自分で選ばないような経験ができる。(30代病院勤務医、糖尿病科) 自分自身は医局に所属しなかった。人脈がないため非常勤医を探すのに苦労する。(50代病院勤務医、産科・婦人科) ”

医局制度が骨抜きにされたという2004年に変更された臨床研修制度が変わる前の医師が答えていることが多いので、どこまで信じていいのか分からないという現状です。

その一方で、医局に所属しなかった人が感じる医局のメリットという回答は参考になります。ちなみに、今回はメリットを取り上げさせて頂いていますが、デメリットの方でも同様な年齢層の回答者が多いので、歴史的なバイアスによる回答の偏りはなさそうです。逆に、どこまで信用していいのか分からない情報でもありますので、一情報としてとらえて下さい。

主観的情報でのメリットを記載されている方々が多いですが、医局に所属する医師のメリットは、客観的にみると5点に凝縮されます。

1)医学博士・専門医資格の取得(教育・キャリア面)

2)先輩医師からの学びや新しい手技や研究、留学の機会や国内人事交流等の成長の機会がある。(教育面)

3)人手サポートによる産休育休、介護休暇等の取得が可能になる。医局から独立した一人医長の場合、病院が採用しないと休むこともできませんが、医局に所属している形であると一人医長という人手不足の場合でも人の手配が可能になる。(労務サポート面)

4)個人名だけではなく、大学医局という組織の名前が使用することが可能になる。研究費を取得するための申請書類や製薬メーカーへの働きかけの時に実感することが出来ます。(信用面)

5)転ばぬ先の杖、困った時の互助の仕組みがあります。費用対効果がいいバイトを紹介してもらえたり、勤務先を斡旋してもらえたりサポートがあります。(財務面)

しかしながら、この医局のメリットが見える化できていなく、医局のメリットを最大限に活かせるようなシステムが現在ない状況です。これが出来上がるだけでも日本の医療のムダがなくなると考えられます。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


関連ブログ

医師じゃないから書ける医局制度その1:医局とは

医師じゃないから書ける医局制度その2:人事業務での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点

医師じゃないから書ける医局制度その4:医局の所属

医師じゃないから書ける医局制度その5:医局の構成

医師じゃないから書ける医局制度その6:医局の構成関連病院に関して

医師じゃないから書ける医局制度その7:医局に医師が集まる理由


参照

日経メディカルオンラインシリーズ◎何でもPros Cons【医局に所属すべき?】 「医局に所属しなくてもいい」が7割超(URL直接リンク)