• Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その27親の死に目に関して

「入局したら、親の死に目に会えないと思っておけ」昔言われていた言葉です。

最近では、そもそも「親の死に目に会えない」という言葉自体が使われなくなってきましたが、未だに芸能界とコンサルティング業界、一部の医局では使われているようです。最近、言われなくなったのはワークライフバランス的にイメージが悪くなるからかな?

先日、祖母が他界しました。60歳を越えて未だに医局に所属する父を待つかのように、危篤状態から数日頑張ってくれたお陰で、父は無事に最期の挨拶をしていました。

私の世代の親族は、所属する医局によって対応が様々であることをいろいろと体感したために、表記の「入局したら、親の死に目に会えないと思っておけ」という言葉を思い出しました。1980年代までの医療は、国策としても緊急時の救急医療のインフラを整えることを重視していて、患者さんは現在と比べると比較的若い方が多かったです。医師の働き方に関しても終末期の患者さん即ち他人の親の死に目にはたくさん出会えるという診療科は少なかったです。

しかし、現在、医師が対応している患者さんのほとんどが高齢者になっていて、小児科や産科以外のほとんどが高齢者となっている現状です。

他人の親の死に目には立ち会ったことがある。親・祖父母と同世代の高齢者の死亡診断書を書いたことがあるという医師が多い時代になってきました。医師には患者さんの気持ちが分かる必要がある、そして患者さんとしっかりコミュニケーションをとる必要があるとして、英国では1975年に開始されましたが日本では2005年12月より医学部でも正式導入されたOSCE(オスキー、Objective Structured Clinical Examination)と呼ばれる客観的臨床能力試験を臨床実習前に受けて合格することが必須となりました。現在では、認知症の患者さんの増加傾向から患者さん本人とのコミュニケーションだけではなく、家族やケアマネジャーあるいは行政の方とコミュニケーションをとることが増えてきています。そのような中で、医師自身の親の死に目に出会うのは、医師としての経験としてとても大切なことであると考えます。父のことを悪く言うつもりもなく、時流が変わったために知らないものだと思うのですが、実際に私の父は現役の医師ですが、祖母が倒れた際に、介護保険を筆頭に、介護サービスのことを全く詳しくありませんでした。医師の資格を持っていることから介護サービスの会社の相談の仕事もしていたので、同世代の医師と比べると比較的知っている方だと思うのですが、介護が必要な親を持つ当事者としての検討事項から決断ポイントまでを知っていませんでした。逆に、僅かながらも訪問看護ステーションや在宅診療クリニックを経営していた自分の方が知っていて、親の世代との知識と認識のギャップに悩みました。

医局で介護休暇はあるのか?

最近は、多様な家族形態があるので、親が2人祖父母は4人だけには限らないと思いますが、肉親・身内の絶対的母数は少ないので、医師が親の死に目だけではなく、親の介護に関与することは大切なことであると考えます。では、医局で介護休暇というものはあるのでしょうか?「医師じゃないから書ける医局制度その16:医局の選ばれる理由:福利厚生」「医師じゃないから書ける医局制度その17:医局の選ばれる理由:福利厚生・育休産休制度」等でも記載してきましたが、医局と所属する医師は直接的な雇用関係が無いことが多いために日本の法律で定義づけられている「介護休暇」というものを取得することは難しい状況となっています。しかしながら、昨今「介護休暇」というものは、医局を運営する先生方、また医局の重要構成要因である関連病院の部長先生及び関連病院の先生方が、直接向き合っている現実があるようで、「介護休暇制度」に関して知りたいという要望を持っている教授や部長先生が増えてきています。しかしながら、折角興味関心を持ってくださっても、日本の法律の定義である「介護休暇」という仕組みに関しては、医局の中に取り入れることが困難なようで、まるで米国のヒラリークリントン氏のように、触りで諦めてしまいます。(ヒラリークリントン氏は、米国の医療制度をどうにかしようと日本の医療を視察にきたところ、日本の医療制度は医療従事者の献身で成り立っているので米国の参考にならないと半日も経たずに判断して、数日間の視察日程を中断しています。)諦めた結果「介護離職」のような形で「介護脱局」ということが現実的に起き始めてきています。

法律で定められたものとは別に医局マネージメント手法での「介護休暇」という新しい形のものが求められてきています。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


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