• Kosuke Tsubota

医師じゃないから書ける医局制度その29:結婚の日程も教授次第

医療業界でも、ワークライフバランスと言われるようになってきました。

残業や産休育休介護休業に関してだけではなく、自己研鑽という位置づけにされる学会や研究という分野でも意識されるようになってきました。これも、医師の寿命が短いことや過労死問題が周知されたからではなく、医学部生を筆頭とした若手からの時代の流れが訪れてきたのだと思います。ただ、現在の流れは、今までは仕事は生活の一部で「生業(なりわい)」だったものを、仕事と生活を切り離して考えるようになったように感じられます。

タイトルで記載したように、生活の一部、いや

生活の中でも重要な儀式の一つである「結婚式」に教授に参加して頂くために、結婚式の日程候補を教授にお持ちして、教授に結婚式の日取りを決めて頂くのが礼儀でした。いや、実際には、事前に教授の大学での勤務だけではなく、学会での仕事などスケジュールを読んだ上で、こっそりと教授秘書にご相談させて頂いてやっとこさ結婚式の日程候補日が出来る状況でした。

幸いなことに私は独立した後に結婚をしたために、上記ステップを踏みませんでしたが、パートナーが医局に所属していたので、パートナーは上記ステップを踏みました。ステップを忠実に守って実感したのが、異なる医局、特に異なる専門で学会スケジュールが異なると日程候補を創るだけでも大変困難になることを実感しました。お蔭で一年以上前に結婚式の日程が決まって他の準備はゆっくりと進めることができましたが、式場によっては、一年前からしか予約することが出来ない場所もあります。一年以上前から決まった結婚式だと、周囲から「おめでた婚」と思われるようなことも起きたり、結婚式のことを考えることができないぐらい辛い妊婦期間になったり、仕事で異動になったり、人によっては脱局したり、教授が急な事象で変わったり、何かが起きる可能性が高まります。これだけ困難ならば、「結婚式を家族だけで実施します。」といって職場の人を全員呼ばずに結婚式を実施するようになってきているのも納得です。

そして、この結婚式の日程を決めるステップを、人生のパートナーに理解して頂くのが大変難しいです。また、この口伝式で伝わるものを諸先輩方から学べる機会も医局員としても教授としても少なくなってきたようです。結婚式に呼ばれた、新しく教授として就任した方は、いくらご祝儀を包むのがいいのか?と悩む時代とのことです。だからこそですが、医局員としても教授に対していくらのお車代を包めばいいのか?内祝いを良くした方がいいのではないか?と悩んでいます。特に両親が医師だったり、パートナーの両親が医師だったりする場合は医局毎のマナーが異なっていることから、混乱が生じます。そして、たまに婚前喧嘩の原因の一つになります。

ただ、結婚式の位置づけも親の世代では、家と家の付き合いであったために、お互いの家族・親族や友人・同僚・上司の顔合わせのための儀式が必要でありましたが、現在では本人同士、もしくは新郎か新婦の実施したいイベントとしての位置づけと変化してきているので、教授に結婚式の日程を質問する必要はない時代になってきました。しかしながら、教授以外でも上司や同僚を呼ぶためには、病院の勤務や学会日程の配慮等をしないと難しいのが現実です。そのため、土曜日が普通の勤務日となっている大学病院では、土曜日結婚式が出来なくて、日曜日に挙げることが多いです。


離婚率の上昇からの上司の嘆き

私の学生時代の恩師の教授は、現在は既に退官されていらっしゃいますが、退官したからこそ言えるセリフで、××外科医局時代のことをこのように話していました。「月に数回しかない休み、部下の結婚式に頑張って参加しても、五年生存率が低い。いや、十年生存率が低い。」十年以内に離婚もしくは、別居になる部下が多いとのことで、心に残る言葉です。その上、医局内結婚の場合や医局が違っていても同じ職種や業界だった場合は、特に人事異動等に気を使っていたという話でした。また、別の教授の名言は、「近海魚に手を出すな。」ということをしっかりと伝えているということで、大学病院内はもちろんのこと関連病院内での医師・看護師や医療事務での恋愛に気を付けろということでした。

私は、男性看護師という女性が多い資格の中で珍しく男性としているので、看護師側の話を耳にすることが多いですが、優秀な看護師が医師と結婚して寿退職することには文句が出ないのですが、その寿退職の後に、離婚や医師の浮気等の情報が看護部に流れると職場内の状況が悪くなります。有名なシカゴで行われたホーソン実験(ホーソン研究)で、仲間意識・人間関係が仕事の生産性に影響を及ぼすということを証明・周知しました。(ホーソン研究の内容は、今から分析しなおすと指摘するところが多々ある点がありますが、世の中の常識を変えたという点では重要な研究です。)チーム医療が重要だと言われていますが、そのチームをチグハグにしかねないのが、恋愛事の問題です。

マッチングドットコムを筆頭とする出会い系サービスは、怪しいと思われることが多いですが、上場企業である 株式会社ネットマーケティング が運営する「Omiai」や親会社が上場企業である「ゼクシィ縁結び」等は、人材データがそろってきているので、そろそろ出会いだけではなく、恋愛事に関する労働生産性にも関与していけます。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


医師じゃないから書ける医局制度シリーズ関連ブログ

その1:医局とは

その2:人事業務での問題点

その3:勤務管理での問題点

その4:医局の所属

その5:医局の構成

その6:医局の構成関連病院に関して

その7:医局に医師が集まる理由

その8:医局のメリット

その9:医局のデメリット

その10:専門医取得したいの?

その11:医局の選ばれる理由:地元

その12:医局の選ばれる理由:母校

その13:医局の選ばれる理由:母校と部活

その14:医局の選ばれる理由:キャリア形成

その15:医局の選ばれる理由:興味関心

その16:医局の選ばれる理由:福利厚生

その17:医局の選ばれる理由:福利厚生・育休産休制度

その18:医局の選ばれる理由:福利厚生や災害

その19:医局の選ばれる理由:福利厚生や防災

その20:医局の選ばれる理由:福利厚生・医局の雰囲気

その21:医局の選ばれる理由:人間関係・教授

その22:医局の選ばれる理由:人間関係・不倫

その23:医局の選ばれる理由:上司

その24:医師はうつ病になりやすい医局の支援は?

その25:医局はマフィア?

その26:医局は家元?

その27:親の死に目に関して

その28:産休育休介護休業について


T大学病院とK大学病院


0回の閲覧

​執筆履歴

My OFFICE​

東京都墨田区両国4-15-6

  • Grey Facebook Icon
  • Grey Twitter Icon