• Kosuke Tsubota

医療コンサルタントだから言える医療コンサルタント嫌い

私は、医療コンサルタントと呼ばれますが、違います。私は、「医療マニア」です。

実際には、ご相談頂いて、応援したい医療機関や福祉機関の方々に実施していることは、いわゆる医療コンサルタント業務と呼ばれているものをしていることが多く、それに関しても多岐にわたって、採用の相談から人事制度の作り方、収入やコスト分析から集患やマーケティング、事業継承から新規設立までいろいろとお手伝いさせて頂いていますが、医療コンサルタントという言葉を好みません。

医療コンサルタントとは

多くの医療コンサルタントが、日本の保険診療を分析して、短期的に収入が増えるような活動をしていることが多いからです。それ事態は、計画経済の中で、ルールを分析して実施していることなので、悪いことではないのですが、長期的に考えてみると、日本の医療費をムダに上げていること等があります。いや、多くのコンサルタントという職業が、短期的に収益をあげる仕組みを提供することで、長期的には事業成長することが難しいという指摘があげられています。実際に2010年以降に指摘された書籍がたくさん出版されています。ベストセラーになった書籍だけでも日本国内だけではなく、世界中でもいろいろと出てきています。私の独断と偏見ですが、下記5冊は、読む価値があります。

1)申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。(カレン・フェラン)大和書房

2)これからの正義の話をしよう(マイケル・サンデル)早川書房

3)アメリカンドリームの終わり あるいは、富と権力を集中させる10の原理(ノーム・チョムスキー)ディスカヴァー・トゥエンティワン

4)コンサル一〇〇年史(並木雄太)ディスカヴァー・トゥエンティワン

5)増補 21世紀の国富論(原丈人)平凡社


最も衝撃的なタイトル「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」で、問題提起をしたカレン・フェラン氏のことを紹介します。

彼女は、コンサルタントの中でもエリート中のエリートで、マサチューセッツ工科大学(MIT)及び同大学院を卒業後、大手会計事務所系コンサルティングファームのデロイト・ハスキンズ&セルズや戦略系コンサルティングファームのジェミニ・コンサルティングで活躍した後に、いわゆる「コンサルタント上がり」という転職をします。これもエリート中のエリート街道まっしぐらでファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソンなどの大手企業でマネージャーとしての実績を積み立てていった。いわゆる敏腕コンサルタントです。エリートコンサルタントが言う、ある側面カミングアウト本という位置づけがあったために、コンサルタント業界も否定することが出来なかった書籍です。契約期間中の短期的な結果を追い求めて、時に長期的にはその組織の首を絞める行動を仕事としているということです。医療コンサルタントも似ている側面があって、その組織としては確かに利益があがる仕組みを分析し提供しますが、結果的にそのエリアの医療費をあげて、必要としていない人にまで患者という形にして医療サービスを提供するということがあります。というのも、「医療」というものは、「警察」や「消防」のように、仕事がない方が世の中平和なものなのです。「投資型医療 医療費で国が潰れる前に(武内 和久、山本 雄士)ディスカヴァー・トゥエンティワン」で指摘されているように、不必要な医療費が使われる状況を創っているのです。武内和久先生や山本雄二先生が提唱するように「医療=健康を損なわないためのもの」という位置づけで、医療コンサルタントをしている人が増えればいいのですが、多くの医療コンサルタントは、お金を落としてくれる病人になるまで、患者予備軍を放置する施策を推奨しています。


医療マニアとは

私自身が、医療マニアと名乗っている理由は、医療ビジネスのジレンマを認識し、ご相談頂いた医療機関だけではなく、その地域に住まれる方々と医療費を支払っている保険者の方々のこと等を考えて仕事をしています。そのために、時には、短期的には、医療機関のメリットにならないことを、しっかりと説明した上でですが、提案することがあります。「コンサルタント」というのが、以後とを発注する「クライアント」の契約期間という「短期間」のために仕事をしているので、立場を変えたくて言っています。日本国内に住む日本人ならば、「クライアント」の医療費があがることで、自分自身の「保険料」も上がるというジレンマがあると思うのですが、より多く稼げばいいという考え方で、資本主義としては正しい部分があるのですが、SDGsを言われる時代にはそぐわない状況です。また、医療コンサルタントを実施される方々は、計画経済の中にあるビジネスなので、一般的なコンサルタント業務よりも収入面も支出面も分析が容易です。そして、仕事を発注する医療機関の方々は、収入を改善したいという気持ち、生き残りたいという基本的欲求からの仕事発注なので責めることが私は出来ません。しかし、そのような方々から、高額費用を取得しているのが好きではありません。たまに、本質をみないで医療コンサルタントを名乗られている方がいらっしゃいますが、収支があいにくい小児科医療からの撤退を提案したり、小手先のテクニックで検査の数を増やしたりしています。

まとめ

ぐだぐだ言っていますが、「医療コンサルタント」と呼ばれる人々の質が悪くなってきていて、その地域で住でいく人々のことを考えていないだけか、医療制度がどのような成り立ちで出来ているのかも理解していない人たちと一緒にされるのが嫌なだけです。


近江商人の三方良しではないですが、私は、医療マニアの六方良しとしていきたいと考えています。


1:患者及び家族など、医療サービスの直接的受益者

2:健保協会や保険協会など、医療サービスの対価支払い者

3:医師や看護師など、医療サービスの提供者

4:医療機器や製薬など、医療サービスの開発者

5:政府や行政など、医療サービスの設計・運営者

6:地域住民及び健康な人など、国民


この上記にあげた関係者全てが満足する手法なんてなかなかないのですが、過去と文化をしっかりと踏まえた上で、未来を一緒に考えていくというのが大切です。

​執筆履歴

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