• Kosuke Tsubota

医療勤務環境に関するアンケート調査実施中

昨今、医師の働き方改革の話題が話題になっています。

というのも、2019年3月13日に厚生労働省が「医師の働き方改革を議論する有識者検討会」を開催して、その検討会で、医師の残業時間の上限規制を最大で「年1860時間(月155時間相当)」とする報告書案を出したからです。この数値は、同じ省庁である厚生労働省が出している「過労死ライン」として残業時間を是正するために出している指標の数値、1ヵ月80時間と出している指標の約2倍のデータとしている数値です。

医師の仕事は、人の命を守る仕事ということなので、一般労働者よりも今まで緩い規制対象だとされていたのですが、医療過誤の問題や医師の過労死の問題などがいろいろあげられてきていたことから、今回医師の残業時間を減らすことを目的として開催された厚生労働省「医師の働き方改革を議論する有識者検討会」で出てきた数字で、医師を人間として取り扱わないような数値が出てきたからです。半年前の情報なので、ある意味今更という形ですが、実は今週、厚生労働省医政局医療経営支援課とお話する機会がありまして、そこで「いきいき働く医療機関サポートWEB(いきサポ)」 https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/ というサイトを紹介して頂きました。

いきいき働く医療機関サポートWEB(いきサポ) https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/

どのようなサイトかというと、サイトから抜粋しますと「このサイトは、医療機関の勤務環境の改善に役立つ各種情報や医療機関の取り組み事例を紹介しています。ぜひ、皆さまの取り組み事例やご提案もお寄せいただき、医療機関の勤務環境の改善の取り組みを進めるためのデータベースとしてご活用ください。」とあります。

こちらのページで、半年前に出てきた誤解を恐れずに言うと人間として扱われないような医師の残業時間状況がどのようになっているのかを把握するための「医療勤務環境に関するアンケート調査」が8月26日付けでスタートし、こちらのホームページでは8月30日に公開されました。アンケート締切が9月20日です。正式名称としては、「令和元年度厚生労働省委託事業医療勤務環境改善マネジメントシステムに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査・研究医療勤務環境に関するアンケート調査」となっていて、「本アンケートは、今後の医療勤務環境改善の施策の方向性の検討等に活用される大変重要なものです。」とありますが、「~~月の勤務時間を記載して下さい。」というような形で、アンケートというよりも調査票になっているために記入する人に大変負担がかかるようなアンケート設計になっています。過労死ラインの約2倍が残業時間の上限とされたような仕事量が多い人々に協力してもらうような制度設計になっていません。最も重要な人々のデータは、きっとこのアンケートが開催されていることにも気が付かず、百歩譲っても気が付いたとしても記載する時間がない人々のものです。

自分のブログなので、誰にも気兼ねすることなく、はっきりと苦言を申し上げますと、一般企業で従業員の働き方の調査として実施していた場合、現実的ではないと指摘されて労働基準監督署などから指摘をされるような手法です。「調査をした。」という実態と現実と乖離したデータを用いてこれからの方向性が決まっていくのかと思うと、この委託事業の予算事態に私は憤りを感じます。ユビキタス時代という言葉も使われなくなって、ほぼ全ての働いている人がスマートフォンを持ち歩いていて、人によってはウェアラブルデバイスを身に着けている時代に、前時代的な自己申告制のアンケート調査は、何かを隠すために実施している事業なのではないか?と勘ぐってしまいます。

同じく人の命に関与する国土交通省管轄である飛行機のパイロットや長距離バス運転手を筆頭としたドライバーへの対応は、実態調査よりも現実的に、休憩をとることが出来るシフトをつくっているのか?交代制度はどのようになっているのか?といったソフト面の調査から、休憩場所があるのか?休憩時間の記録はあるのか?といったハード面の調査から対策が創られていることと比較してしまいます。そもそも、「医師の働き方改革を議論する有識者検討会」が実施されるきっかけになった調査2018年末に公表された「過労死等防止対策白書」2018年版で月100時間を超える医師の人数が12.3%、過労死ラインである80時間の勤務医がいるとした病院は20.4%でした。その「過労死等防止対策白書」に対しても「無回答」とした病院が約4割としていて、消極的非協力である多忙すぎて回答していないのか?積極的非協力である公にしたくないから回答していないのか?という数値が高すぎるものです。

その調査よりも手間がかかるアンケートを現場に実施させようとしていることに、それ以外の手法があるのではないか?もっと出来るのではないか?と考えてしまいます。

もう実施しているアンケート調査活動なので、9月20日までの調査でどのような数値がでるのか?が気になりますが、数値が出てきてからだと自由に発言するのも難しくなりそうな気もしたので、誤解を恐れずに、私の危惧する苦言を記載しました。

自己申告式アンケート調査に頼らなくてもできる安価な調査方法も、今後の医療機関の働き方を筆頭に、先ほどあげた国土交通省の運転手調査などいろいろと活用の幅がありそうなので、ビジネスチャンスな気がします。未だにカメラによるAI(人工知能)による人の画像認識技術は、安価なものでも設置だけで約300万円から500万円かかりますが、以前「 医師じゃないから書ける医局制度その3:勤務管理での問題点 」で記載したような岡山大学のような勤務管理手法を使うとできるのではないか?と考えてしまいます。

やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪


過労死ラインに関する厚生労働省の通達

『脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について』(平成13年12月12日付け基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)

『心理的負荷による精神障害の認定基準について』(平成23年12月26日付け基発1226第1号厚生労働省労働基準局長通達)


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