• Kosuke Tsubota

最近の医療の考え方

医療の考え方は、それこそ千差万別あると思いますが、最近のをまとめてみます。

人によって、医療の考え方に関する回答は異なると思います。また、同じ人でも立場によって回答は異なってくると思います。現在、医療界には、EBM(エビデンスベースドメディスン)という考え方が主流になりつつあります。具体的には、【個々の患者のケアに関わる意思を決定するために、最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いること」、「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針」、「個々の患者の臨床問題に対して、(1)患者の意向、(2)医師の専門技能、(3)臨床研究による実証報告を統合して判断を下し、最善の医療を提供する行動様式】(公益社団法人理学療法士協会より抜粋)とされています。「当たり前のことじゃないか!」と思われる内容ですが、EBMと言われる少し前までエビデンス(根拠)よりも【経験】で診察されることの方が多かったのが、医療界の実情です。

例えば、あまり病気にかかったことがないという方々でも診療所にかかったことがあるインフルエンザに関しても最近までは、正直検査がすぐに出来ない、もしくは検査したとしても数日かかるような状況でした。インフルエンザのような感染してしまう病気の確定診断するための検査が数日かかってしまうと、感染が広がってしまいます。そのために、インフルエンザと言われても十数年前までは、インフルエンザも検査をしないことが主流で、検査をせずに医師の問診と診断でインフルエンザとしていました。そのため、検査という根拠よりも経験が重視されてきていました。そのような経験が中心だった医療界にエビデンスを大事にしようという働きかけがありました。

これが今主流となっているEBMです。個人的には、この根拠のために今まで必要とされていなく、医師の腕と呼ばれて、必要とされていなかった検査が行われるようになって医療費が増えているのは、皮肉なものを感じます。また、この診断が簡単にとれるようになったために、会社や学校・保育園等様々なところで、インフルエンザの診断書が必要となって、医療機関の事務作業が増えただけではなく、各企業の人事を筆頭とした場所で事務作業が増えているのは全体的に生産性はあがっているとは考えられないので、皮肉なものだと思います。話はそれましたが、EBMに対して、NBM(ナラティブベースドメディスン)という考え方があります。

これは、患者を中心として考え、理由・経緯・病気そのものへの捉え方の物語を全人的(身体的・精神的・社会的)医療を提供する臨床手法です。診断方法としては、患者を中心としているので、患者との信頼関係と対話を重視して、医療従事者は医学・サイエンスの専門家として関与する医療と言われています。在宅医療を中心とした医療現場では、こちらが中心となってきています。この考え方は、人生の最後の場所として選ばれる在宅医療に適した考えで、患者さんが不要という医療を提供する必要がなくなります。今まで、医療の提供者側が「お医者様」とされていて、提供する医療は全て受給者側が受けなければならなかったところから、変化してきたものです。

特に医療の受給の場所が、在宅の場所に変化してきたために関る人が患者さん本人だけでなく、患者さんの家族や親族全体のものだということに変わり、高齢化により家族の世代に多様化が生まれ、家族による価値観がいろいろ変わってきた背景もあります。そのNBMから、多様性にあわせる必要がでてきたものとしてVBP(バリューベースドプラクティス)というものがあります。これは、人によって診療の価値が異なっているということが前提となっていて、医療が提供される側での価値と、提供する側での価値の差を埋めるという考え方です。そもそも、発展途上国のように医療を受けられることが贅沢な時代つまり提供者側が強者だった時代から、医療はサービス業ということで、消費者側の意見が強くなってきた時代の変遷と共に生まれてきた考え方であることが分かります。

単純にこの状況だけ考えると需要と供給のビジネスな側面が見えてきます。医療ビジネスという言葉が使われるようになってきたのは、1990年代からですが、2000年代に使用していても、「医療はビジネスじゃない。」とよく叱られました。そもそも論で考えると消防署・警察官等と同様に、本来、医療従事者が暇であればあるほど、世の中には困っている人が少なく幸せな状況になると思うのですが、今の日本では医療従事者が忙しい状況にあります。医療従事者の待機コスト等が生まれないので、費用対効果が良い状況であると言えますが、社会的には、医療従事者の労働分の収入が生まれていない状況なので、損失が高い状況であると言えます。

私は、医療ビジネスを学ぶために大学・大学院で学んできました。医療を変えるためには医療のコンサルタントとしてだけではなく、一医療機関の経営者になって、医療の改革に挑戦しました。しかし、実際に経営者として存在していた時には、どうしても従業員含めたチームの利益を最大限にすることを考えてしてしまい、社会コストを下げる努力のことを気にしながらも、行動に動けずにいました。現在、一歩離れてみると、上記のような医療の考え方の変遷を感じます。実際に、小学生の頃から医療の考え方に触れてきて感じるのが、価値観の多様性に振り回されている医療ということです。また、ビジネス面でサービスとして完成してきている美容医療等がある反面、社会インフラとしての医療は壊れ初めてきていてアンバランスな状況になってきています。

医療の考え方が短い期間で変化し、多様化してきているので、各個人が医療に頼らず、自分の健康を守るために自己防衛しなければいけない時代に突入してきています。変化がある時というのは、チャンスが生まれる時。


やはり、チャンスは、いろいろなところにあります。ワクワク喜ぶことを起業しましょう♪

​執筆履歴

My OFFICE​

東京都墨田区両国4-15-6

  • Grey Facebook Icon
  • Grey Twitter Icon