• Kosuke Tsubota

訪問看護の延命責任(訪問看護の婚活3)

最終更新: 1月21日

「訪問看護のお看取り」と耳にすると、自宅での患者さんのお看取りを想像されます。

というのも、訪問看護ステーションでのお看取りが増えてきたことをふまえて、2年前から訪問看護師が死亡確認出来るようになってきた背景があります。具体的には、「医師が対面で死後診察をしなくても、死亡診断書を交付できるように規制を見直す」として、2016年度答申で死亡診断書に関する規制緩和が求められていました。

それを受けて、2017年9月12日に厚生労働省から医政局長通知が出されて、「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」が新たに公表されて、在宅医療の現場が変わりました。従来医師しかできなかった「死亡確認」を看護師が間接的にですが出来るようになりました。

厚生労働省が実施した厚生労働科学特別研究事業「ICTを利用した死亡診断に関するガイドライン策定に向けた研究」をベースにして出来上がっています。

背景としては、規制改革会議で、人生の最期の場所として折角在宅を選択したのに、在宅で穏やかな看取りができないという状況が出ていることからです。自宅での看取りも最初は、変死扱いされて警察が必ず介入していた時代から、在宅死が普及してきたことから、より一層よい在宅医療の環境整備に踏まえて行われました。法律は大きく変わっていなく、 延命措置を希望していない終末期の患者で、医師が対面での死後診察を行うのに12時間以上かかるような人や、在宅医療がしっかりと導入されていて死亡前14日以内に医師の直接対面での診療を受けていて、医師が「早晩死亡されることが予想される」と判断した人が該当します。

このような実質規制緩和が行われるようになった背景としては、在宅診療の医師への負担が大きすぎて在宅医療の現場及びインフラに問題が生じてきていることがあります。その反面、訪問看護ステーションが在宅医療において重要なインフラの一つになっているということです。ガイドラインを読むと分かることですが、死亡確認が出来るようになった前提条件としては訪問看護ステーションがしっかりと経営されていて、経営破たんしないことが前提条件としてあります。

情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン

  1. 医師による直接対面での診療の経過から早晩死亡することが予測されていること

  2. 終末期の際の対応について事前の取決めがあるなど、医師と看護師と十分な連携が取れており、患者や家族の同意があること

  3. 医師間や医療機関・介護施設間の連携に努めたとしても、医師による速やかな対面での死後診察が困難な状況にあること

  4. 法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が、死の三兆候の確認を含め医師とあらかじめ決めた事項など、医師の判断に必要な情報を速やかに報告できること

  5. 看護師からの報告を受けた医師が、テレビ電話装置等のICTを活用した通信手段を組み合わせて患者の状況を把握することなどにより、死亡の事実の確認や異状がないと判断できること

しかし、残念なことに前回ブログ「訪問看護の婚活2:訪問看護の看取り」でご紹介したように訪問看護ステーションの休廃止は多いです。一般診療所の廃業と比較されることがありますが、廃業をする一般診療所は、近隣の医療機関で代替が可能であったり、患者さんの生き死にに深く関与していないということがあったりしますので、一概に比較できません。

そのことから考えると、一般診療所以上に訪問看護ステーションは、経営責任と経営者が経営出来なかった場合は、第三者の協力を得る必要がある、延命責任がどんどん増えていっています。

私が訪問看護ステーションを嫁に出した理由としては、簡単に言うと訪問看護ステーションの場所と私の生活地域が異なってしまったことにあります。昨年、祖母と義祖母が他界しましたが、それに関係してくる介護のことや、私に第二子が生まれたことなどライフワークバランスといった際のライフの場所と訪問看護のワークの場所が、移動距離として3.5時間以上離れていて困難になってしまったことにあります。そのために、その地域に根を張って、地域を見守っているサービスを提供している法人に嫁いでいって頂きました。

優秀な訪問看護師仲間のお陰で、私自身が出社しなくても地域に訪問看護サービスを提供する状況になっておりました。しかしながら、それは訪問看護師メンバーに頼ってしまっていたことであって、地域のニーズから訪問看護ステーションを増やして欲しいというような要望や行政からの相談対応などの経営判断には、迅速かつ柔軟に対応できる体制が必要であると判断して、断腸の想いで嫁いでいって頂きました。


私の感情的なものですが、訪問看護ステーション設立のために立ち上げた法人と、私の長男の生年月が一緒であるために、長男をみる度に訪問看護ステーションであった楽しかったこと辛かったこと、そして乗り越えたからこそステキな思いでになっていることを思い出して、自分からふっておいて悲しみにくれる失恋の痛手を感じていました。



訪問看護の経営者は、経営し続ける責任がある。

前回ブログ「訪問看護の婚活2:訪問看護の看取り」でも紹介しましたが、訪問看護ステーションのお看取りをさせて頂いた経験があるからこそ言います。年間約800件に及び休廃業の数値が物語っているように、訪問看護ステーションの経営者は、困難なことが起きた時に休廃業の選択することが多すぎます。私のように訪問看護ステーションに嫁いでいって、新しい子孫繁栄やより多くの患者さんとご家族さんの安らぎを提供すること、そして、それを生き甲斐とする訪問看護師に活躍と遣り甲斐を提供する。

その責任があります。「経営」という言葉はよくできた言葉です。本来の言葉は、仏教用語であって、「自分の人生をどう営んでいくか」「自分自身をどう生かすか」という意味です。

ビジネスに使われて本来の意味とは違ったイメージが生まれてきてしまいましたが、皇族であったお釈迦様が、皇族を辞めて出家までして、説かれたのは、「人生の目的」であって「生き方」であります。現代で言うと、資本主義を脱却して、悟りを開かれたお釈迦様の言葉です。

訪問看護ステーションには、より真剣に【経営】即ち「自分の人生をどう営んでいくか」を考えて頂き、経営者自らが、身を引かなければならない時にはしっかりと身を引いて、後進に任せる。経営者として能力が欠けている時には、経営者として周囲のサポートをしっかりと受ける。といったことをする責任があります。訪問看護ステーションの経営には、飲食店の経営とは違った重みがあることをしっかりと踏まえる必要があります。

だからこそ、私は訪問看護ステーションを嫁に出しました。

関連ブログ:訪問看護の婚活シリーズ

訪問看護の婚活1:訪問看護を嫁にだす

訪問看護の婚活2:訪問看護の看取り

訪問看護の婚活3:訪問看護の延命責任

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