• Kosuke Tsubota

連続起業家ナイチンゲール

ご機嫌さまです。喜業家つぼたです。

突然ですが、ナイチンゲールは起業家です。

白衣の天使、看護師というイメージが強いですが、ナイチンゲールの看護実践体験は2年半だけです。それも最初に実践したロンドン・ハーレイ街1番地のハーレイ病院での業務も総監督という仕事でしたので、看護師としての顔は本当にごく一部で、経営者そして、起業家としての側面が大きいです。

職業創設!

どれぐらいすごい起業家というと、「看護師」という職業を創り上げました。今で言うと、YouTuberというビジネスを生み出したYouTubeというかGoogleさんもしくは、BLOGERという新たな職業が生まれたぐらいすごいことです。

学校創立!

新しい職業のための学校「看護学校」を創り上げました。

今で言うと、滋慶学園グループがeSportsプレイヤーになるためのe-Sports 教育機関「Team e-sports college」を創って、東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校を創ったぐらいすごいことです。

教育ビジネス

新しい職業のための教育コンテンツや教科書を創り上げました。

今で言うと、経営者のための学習コンテンツを創って提供して、上場した「株式会社識学」を考えさせられます。

病院建築家

ここまでで、充分すごいのに、病院建築家としての側面ももっています。医療の衛生管理改革で有名になったナイチンゲールは、新たな病院を建設する際に、病院として重要な機能を明文化して、建築設計を実施しました。ナイチンゲールが考案した「パビリオン式」病院構造は、ナイチンゲール病棟とも呼ばれていて、英国だけではなく日本はもちろんのこと世界各国で採用されました。看護師や介護職者の方々は、「看護覚書」を読みますが、建築家の方々は「看護覚書」の前に執筆された「病院覚書」を読まれます。ちなみに、病院建築としては、機能のみを追求し続けたものとして、患者やスタッフの満足度が低い建築物として、古いものとみなされてしまっていますが、当時、大切な機能というものを定義づけた人がいなかったので、ナイチンゲールは病院建築家と呼ばれています。

今でいうと、新しい建築物をどんどん生み出していく、安藤忠雄氏のような活躍っぷりです。いや、世界各国に影響させた構造としては、あまり比較できる人がいないかもしれません。

作家

そして、当たり前のことですが、ナイチンゲールは、有名な執筆家です。日本の一万円札である福澤諭吉が「学問のすすめ」で当時日本の人口が3500万人しかいなかったところ、印刷技術が普及していなく貸本屋がメインだった時代に22万部という記録的な大ヒットを起こして、慶應義塾という学校を創ったり、交詢社という会社を創ったりしながら実践と学問そして教育を追及しながら執筆していたように、ナイチンゲールは先述した「看護覚書」や「病院覚書」を筆頭に様々な書籍を書きました。看護に纏わる文献が一番有名ですが、それは全体の30%ぐらいにしかすぎず、英国陸軍に関すること、インドを筆頭とした植民地の福祉に関すること、統計学に関すること、社会学に関すること、宗教や哲学に関することなど本当に多岐に渡っています。ちなみに日本語訳されているものは、全体の30%しかないので、原著で読むとますますナイチンゲールの才能が多岐に渡っていることが理解できます。


衛生革命家

ここから先は、起業家というよりも社会運動家的な側面が強いですが、ロビー活動や研究活動を含めて、新しい制度を創っていく姿勢は、やはり起業家です。クリミア戦争でのナイチンゲールの活動も統計情報に基づいて感染症を減らすという衛生改革でしたが、戦争から帰ってきた後も英国の都市部での衛生管理に関する必要性を訴えかけ、感染防止の専門家として活動しています。現在でいう、新型コロナウイルス対策のための専門家委員会を、予算申請から委員会運営まで一人で実践していたことになります。

ナイチンゲールの統計学者としての側面は、看護師の側面の次に有名ですが、パソコンも電卓もない時代にナイチンゲールは、統計学を用いて、医療業界に統計的な手法を加えていきました。今でいう、医療業界に新しく医療AIを導入するオンライン診療を導入する各企業と同じようなことを一人で実践していました。統計学を用いて、最も効率的な働き方と効果的な行動を導き出して標準化をしていきました。完全に医療コンサルタントです。病院統計の標準化を医療界に用いたのは1862年9月の「統計学雑誌」での発表です。学会発表は、国際統計学会で1860年で実践していますので、医療業界全体のCTOという側面を持っていました。


地域連携専門家

そして、最後にナイチンゲールが持っている側面としては、地域連携の専門家という位置づけです。日本で言う「社会福祉士」という国家資格にあたる業務を実践していて、公益社団法人日本社会福祉士会の倫理綱領に記載されている通りの、サービス利用者とサービス提供者が結びついていけるように、そして新たなサービスを創り出していることに寄与しています。現在でいうと、あらゆるマッチングビジネスのはしりです。

職業を創り出して、学校を創り出して、教科書を創り出して。。。

いや、そのために、様々な書籍を執筆して、統計学を用いて、社会学を用いて

実践する場として、ハード面では病院建築を創り出したかと思うとソフト面として効果的な働き方を創り出して、その上に医療機関から外に出てサービスを結びつけるための社会のための活動をしていました。

起業家と一言で表せられないぐらいのシリアルアントレプレナー(連続起業家)です。

ナイチンゲールの強みは、福沢諭吉が言う「実学」に似ていて、現場に寄り添って学問を活用している姿にあります。

いや、ナイチンゲールは起業家というよりも、時代の革命児ですね。

ナイチンゲール病棟

ちなみに、ナイチンゲール病棟に関して最後に補足します。

病棟の入り口が廊下から一か所に限られて、大部屋へ通じる入口廊下の両側にナースステーションやリネン室・手洗い室等が並んで大部屋は縦長の窓をはさみ片側に15床が並ぶ形です。医師や看護師、医療従者と患者さんとの関わりを効率化するために、病院中央にナースステーションを設計しています。全体像としては、そのようにみていますが、個別に考えていくと、患者さん一人ひとりの療養空間をしっかりと定義づけて、約6畳の空間、ベッドとベッドの間の距離、各ベッドに一つずつ窓があるようになども具体的に決めていました。一番着目されている機能としてが、患者さん全体を、医師や看護師等の医療従者が中央からいつでも、どこからでも見える化しているところにあります。当時、ナースコールはもちろんのこと、院内WiFiもない状況でしたから、アナログ的に見える化が重要だったのです。また、当時の病院は、医師や看護師等の医療従事者の人数が不足していたので、全体像が見えることで、少ない人数でケアが効率的にそして効果的に出来るようにしていました。病棟の形としては、縦長のスタイルは採用されていませんが、医療従事者の人数不足や感染症等で患者さんの数が増加した時の対応方法として、医療が急性期としての位置づけになる度に、ナイチンゲール病棟の構造は取り上げられています。

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